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おばあちゃんちにはボンボン時計がありました。ちょうどの時間になると、その時間の数だけ「ボーン」と、鳴ります。 ゴゴが、夢中になってパチンコをしていると、
「ボーン、ボーン、ボーン」
と、時計が3回鳴りました。すると、ゴゴは急にソワソワし始めました。そして
「おばあちゃん、僕そろそろ帰るから。」
と、言いました。おばあちゃんは
「おっ、もうこんな時間かい。お姉ちゃんを迎えに行っておいで。」
と、言いました。ゴゴはその言葉を聞くと挨拶もそこそこにドアを開けて、ダッーと駆け出しました。 ゴゴは、3時頃、姉のリリが学校から帰って来るのを毎日とても楽しみにしていますた。今日も家の隣にある坂まで駆け足で来ると、リリの姿が坂の下の方に見えるのを、今か今かと待ちわびていました。
「お姉ちゃんだっ!おーい!おーい!」
ゴゴは、西側の坂を登って来るリリを見つけて、小さくぴょこ−んぴょこんとジャンプしながら声をあげました。でもリリは、本でも読んでいるのでしょうか、全然気付かないようすで、下を向いたまま、ゆっくりゆっくり登って来ます。 ゴゴは何度呼んでもリリが気付かないので、とうとう坂を駆け下り始めました。
リリは今日、学校であったことを思い出しながら歩いていました。『あ〜あ、今日は最悪だったなぁ。先生にしかられて、宿題たくさんでちゃったし・・・』リリは、宝物のキラ消しをまた、手のひらでコロコロさせながら、思いました。
「おっねーちゃーん!」
ゴゴが、走りながら大声で、近づいて来ました。でも、リリは気づきません。ゴゴは、あと、5歩くらいの所でつまづいてしまい声をあげました。
「わーー!!」
リリは、その声にやっと気がついて、ふと顔をあげるとゴゴは目の前にせまっていました。
ドシーーン!!
とうとう、リリとゴゴはぶつかってしまいました。その時です。コロコロコロッと、リリの手からキラ消しが落ちてしまいました。そして、坂のはしにある溝に向かって転がり始めました。リリは
「あっあっ」
と、言いながらキラ消しを追いかけましたが、あと少しのところで、溝に落ちてしまいました。
ゴゴは「ああ、痛かった。」と、言いながら溝をのぞき込んでいるリリに近づいて来ました。
「どうしたの?お姉ちゃん。」
と、聞くと、リリは「溝の穴からキラ消しが落っこちちゃったみたいなの。」と、答えました。溝は、30センチづつのふたがされていて、その境目(さかいめ)の所に穴が開いています。どうやら、その穴にキラ消しは落ちてしまったようです。
二人で頭を突き合わせて、穴をのぞき込みましたが、意外と穴は深いようで真っ暗で何も見えません。「あ〜あ」リリはがっかりして、思わず声をあげました。その時です。ゴゴが
「お姉ちゃん!なんか赤い光が見えるよ!」
と、言いました。リリも、急いで、のぞき込みました。確かに赤い光が見えます。しかも、ゴトゴトとなにかが動いているような音がします。でもしばらくすると、赤い光も音もしなくなりました。
「今の何だったのかなぁ」 ゴゴが言いました。リリは
「そんなことより、キラ消しが、なくなっちゃったじゃない。」
と、少し涙声(なみだごえ)で言いました。
「ごめんなさ〜い」
と、ゴゴは、しょんぼりして言いいました。
それから、二人は手をつないで家に帰りました。
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